*「内なる宇宙」上・下 J・P・ホーガン(著)/池 央耿(訳) 「星を継ぐ者」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」で終わったはずの物語の続編?。 もろ続編。おなじみの登場人物がのっけから大活躍。こうなってくると、すっかりシリーズもの的な感覚。 最初のページから、まったく違和感を感じずに物語にはいってしまった。 というか、前3部作を読んでないと面白さが半減してしまうかも知れない。 1997年初版発行ということは、当時としてはかなりタイムリーな内容だったのではないだろうか。 これまでの3部作は宇宙を舞台としたハードSFだったが、ここにきて(10年後)宇宙は宇宙でも、宇宙が違う。 ホーガン流ファンタジー炸裂。上巻にて、本編に入る前に「日本語版への序」で本人が語っているファンタジー感が、印象的。 現在の物理法則の枠組みを巧みに利用した世界は、現実にあってもおかしくないような気にさせられて、思わずワクワクしてしまう。 「星を継ぐ者」での月の生い立ちに関する説は、思い出す度にその着眼点に感服の一言。 「内なる宇宙」というタイトルから、精神的、心理的な何かをテーマにするのかなぁ等と勝手に想像したりしたが、軽くかわされてしまった。 しかし読み進めていくうちに、なるほど、それでこのタイトルか・・と納得。 やはりSF、特にハードSFは個人的にしっくりくる。 |
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