*「歌う船」 アン・マキャフリー(著)/酒匂 真理子(訳) こういうSF、あり。ありです。 オムニバス形式全6編で、一話完結ながら全体がつながっている。TVの連続ドラマのようで読みやすさ抜群。 それだけじゃない。扱いの難しい設定(宇宙船の体を持つ女性ヘルヴァの活躍)を見事に料理している。 文章も、どことはなしに女性らしさというか、上品さ、優しさのようなものが感じられる。男ではこうはいけない・・気がする。 個人的にどうしても求めがちな未来科学技術とその根拠(もちろん空想によるこじつけ)等は、今回ほとんど出てこなかったが、まったく気にならなかった。 それだけ人間がメインとしてしっかり語られているということか。 だからといって、SFという枠を取っ払えるか、というとしっかりSFの要素を取り込んでいて取っ払うことはできない。 サイボーグ宇宙船ならではの喜怒哀楽をうまく描いている。 さらに、この6編とも60年代に生み出されていたとは・・、もっと若い時期(十代)に出逢いたかった。 |
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